私を含め、多くの方が投資をする際には「生活防衛資金」を準備すべきだと発信しています。これは、万が一投資資金が減っても、生活に支障が出ないように確保しておくお金のことです。
しかし、実はこの生活防衛資金が不足している状態、つまり「お金に対する欠乏感」が、単に経済的な不安だけでなく、脳や心、ひいては対人関係にまで意外な悪影響を及ぼすという現象があります。今回は生活防衛資金が与える意外な影響について解説していきます。
お金に対する欠乏感とは?
ここでいう「お金に対する欠乏感」とは、収入や資産の規模にかかわらず、常に「お金が足りない」という意識や不安が心に根付いている状態を指します。
例えば、年収が1000万円であっても、支出が1000万円ならば、心に余裕が生まれるのは難しいはずです。このような感覚は、行動や判断、さらには人との関わり方にまで大きな影響を与えます。
認知リソースの枯渇と意思決定への影響
お金が足りないという感覚は、脳の「認知リソース」に大きな負担をかけます。
具体的には
- 注意が散漫になる
欠乏感があると、常にお金の問題に心が囚われ、他の大切な問題に十分な注意を向けられません。 - 短期的な判断に偏る
将来の利益より、今すぐの切迫した問題に対応しなければならないため、長期的な計画や戦略が犠牲になります。 - ストレスによる判断力の低下
継続する不安やストレスは、情報処理の精度を下げ、非合理的な選択を引き起こしやすくなります。
これらの影響により、心身の健康・認知機能・対人関係・人生の重要な選択肢まで、大きな影響を与えてしまう可能性があるのです。
精神・対人関係への影響
お金に対する常時の不安は、心の健康・対人関係にも大きな影響を与えています。
- 自己肯定感の低下
「自分にはお金を管理できない」「価値がない」といった否定的な感情を抱きやすくなるとされています。 - 不安と回避行動
将来の不確実性や経済的不安を感じると、新しい投資や挑戦、キャリア上のリスクを回避する傾向が強るとされており、将来への機会損失につながる可能性があります。 - 慢性的なストレス
持続する経済的不安は、睡眠障害や高血圧など、身体的健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、ストレスは心身に様々な影響をあたえることがわかっていますので、大きな病気に繋がる可能性も否定できません。 - 比較や嫉妬の感情
他人の成功や豊かさを見ると、自分の状況がますます劣って感じられ、嫉妬心や劣等感が芽生える可能性があります。
SNSが発達した現在ではさらにこういった比較・嫉妬に苛まれる環境といえるでしょう。 - コミュニケーションの障壁
経済的不安が心の壁を作り、オープンな対話が難しくなり、孤立感が強まる場合があります。
実生活への影響
お金の管理自体が不安の対象となり、非合理的な消費や投資判断につながる場合があります。
例えば、必ず明日10,000円貰えるのと、必ず1か月後に11,000円貰えるのでは、後者の方が必ず多くもらえるのがわかっているので1か月待った方が得です。月で10%アップであればかなりの好条件のはずなのにです。
ですが、お金の余裕がない場合、おそらくは目の前の10,000円という報酬に手がでてしまうのです。
また、お金の欠乏感が与える影響はお金以外でも起こりえます。
たとえば将来への自己投資(教育、スキルアップ、健康管理など)の判断を誤ってしまい結果的に先送りにしてしまうことで、高齢になり学歴・スキル・健康面で問題を起こしてしまい、後々さらに苦しい状況に陥る可能性があるのです。
乗り越え方や対策
- 認知行動療法の活用
否定的な思考パターンに気づき、より前向きな見方に切り替えるトレーニングは有効です。 - 具体的な経済計画の立案
小さな目標を設定し、達成可能なプランを立てることで、将来に対する不安を和らげることができます。 - 財務教育の強化
基本的な金融知識を深めることで、自分の経済状況を正しく理解し、冷静な判断力を養うことができます。 - コミュニティやサポートグループへの参加
同じ状況にある人々と情報交換をすることで、孤独感を和らげ、お互いに支え合う環境を作ることが可能です。
まとめ
お金に対する欠乏感は、単なる経済的な事実の反映ではなく、認知、感情、対人関係、さらには日常の行動パターンに深刻な影響を及ぼす可能性があります。
生活防衛資金の確保は、単にリスクヘッジの手段というだけでなく、心の余裕やより良い意思決定、健康な対人関係を築くための重要な役割をもちます。
自己改善や具体的な財務計画、そしてサポートし合えるコミュニティを通じて、この「お金に対する欠乏感」と向き合い、乗り越えていくことで人生が好転する可能性があります。
yb-logではこれからもマネーリテラシーについて、仕事について、健康についてなど人生を好転させるための情報を発信していきます。