皆さんは筋肉をつけるにはトレーニング後にタンパク質を接種することが重要ということは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。トレーニング後に「プロテインドリンク飲む」光景を見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。
また、プロテインドリンクではなく、食事から接種しているという方もいるかもしれません。成分表などを見るとタンパク質の記載があるので、成分表からタンパク質の接種量を調整している方もいるかもしれません。
ですが、むやみに「タンパク質を接種すればいい」と思われている方もいらっしゃるようですので、本記事ではタンパク質について解説をしていきます。
タンパク質は体を構成する重要な要素
人間の体は約60%が水分で構成されていることは多くの方が耳にしたことがあるかもしれません、では、その次に多い構成要素はご存じですか?お察しの通り、タンパク質です。
人間は皮膚や爪、髪の毛、臓器、血液に至るまでタンパク質が原料として利用されています。
そんな重要な栄養素であるタンパク質ですが、通常は1日、体重1kgあたり1~1.5gが必要と言われています、つまり、体重60kg方は蛋白質が60~90gのタンパク質を接種する必要があります。
そもそもタンパク質とはなに?
タンパク質は、20種類のアミノ酸から構成されます。「アミノ酸が一定数結合した状態をタンパク質」と表現します。
構成するアミノ酸は、9種類が必須アミノ酸、11種類が非必須アミノ酸に分類され、非必須アミノ酸は体内で合成が可能ですが、必須アミノ酸は体内で合成されないため、食事から摂取する必要があります。
必須アミノ酸 | 非必須アミノ酸 |
イソロイシン (Isoleucine) | アラニン (Alanine) |
ロイシン (Leucine) | アルギニン (Arginine) |
リシン (Lysine) | アスパラギン (Asparagine) |
メチオニン (Methionine) | アスパラギン酸 (Aspartic acid) |
フェニルアラニン (Phenylalanine) | システイン (Cysteine) |
トレオニン (Threonine) | グルタミン (Glutamine) |
トリプトファン (Tryptophan) | グルタミン酸 (Glutamic acid) |
バリン (Valine) | グリシン (Glycine) |
プロリン (Proline) | |
セリン (Serine) | |
チロシン (Tyrosine) |
タンパク質はアミノ酸のバランスが重要
先述の通り、タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されています、そのうち必須アミノ酸である9種は体内で生成できませんので、食事から接種する必要があるわけです。
ですが、食事に含まれるたんぱく質というのはすべてがバランスよく9種類のアミノ酸を含んでいるとは限らないのです。
この9種類のアミノ酸が一つでも欠けてしまうとタンパク質の合成がうまくいきません。
例えば9種類のアミノ酸のうち8種類のアミノ酸を「100」接種して、残りの1種類のアミノ酸を「30」しか接種できなかった場合、タンパク質の合成は「30」しかできません。
そのため、9種類のアミノ酸をバランスよく含んでいる食材を接種する必要があるのです。
アミノ酸スコア
ですが、どの食材にどんなアミノ酸が含まれているのかなどはいちいち覚えていられません。そこで一つの指標となるのが「アミノ酸スコア」です。
9種類の必須アミノ酸がバランスよく含まれている食品はアミノ酸スコアは100であらわされ、アミノ酸のバランスが悪いとスコアは低くなります。主要な食品の一部のアミノ酸スコアは以下の通りです。
食品 | スコア | 食品 | スコア |
肉 | 100 | 精白米 | 61 |
魚 | 100 | パスタ | 50 |
鶏卵 | 100 | 食パン | 44 |
牛乳 | 100 | 小麦粉 | 38 |
大豆 | 100 | キャベツ | 53 |
主食である米、小麦食品のスコアが低いのがお分かりいただけたと思います。
特にパスタは100グラム当たりのタンパク質表記がパンや白米に比べ多いため、筋トレ後にパスタを進める方もいらっしゃいますが、スコアを見ると白米より低いです。パスタソースなどを工夫することでスコアを上げることはできるかもしれませんが、成分表の通りのタンパク質を効率よく接種できるのかと聞かれると疑問が残ります。
筋トレ後のタンパク質接種は30分以内?
筋力トレーニングを意識してされている方は「筋トレ後30分内にタンパク質を接種するべきだ」と聞いたことがあるかもしれません。「ゴールデンタイム」とも呼ばれていてトレーニーの方たちからしたら常識といっても過言ではないかもしれません。
もちろん筋トレ後のタンパク質接種は重要ではあるのですが、厳密に30分が重要かというとそうではないことが最近わかっており、現在では筋トレ後から48時間程度は筋合成が通常より高いことがわかっています。
つまり、筋トレ後30分の食事に気を使うのではなく、トレーニング後48時間はタンパク質を意識した食事が必要であるといえます。
まとめ
現在は高たんぱく食が人気になり、パン、カップ麺にも高たんぱくをうたう商品が並び始めてしばらく経ちました。
ですが、成分表上のタンパク質の保有量が多いからと言ってトレーニング効果を最大限引き出せるとは限りません。
まずは肉・魚・卵などを取り入れたバランスの良い食事を心がけ、足りないと感じた時にはプロテインドリンクを間食の代わりに取り入れるなどの工夫をしてタンパク質不足・トレーニング後の栄養補給をオススメします。